”昆虫食”バグズ ニュース -5-

朝日新聞 GLOBE+の特集ページ

2019年8月の記事になりますが、弊社が国内販売店のコオロギパウダー、コオロギホールの製造元”Cricket Lab”が朝日新聞 GLOBE+に特集されています。

【本文抜粋】

市場の成長を見込んで、東南アジアに生産拠点を置く企業も現れている。 タイ北部チェンマイ。郊外にあるタイ最大規模のコオロギ養殖工場「Cricket Lab(クリケットラボ)」を7月上旬に訪ねた。

プラスチック製の青い箱が棚に整然と積み上げられている。高さは8メートル近くに達する。倉庫のような広く薄暗い空間は、見た目は無機質だが、空気は湿気を帯びて生暖かく、生物のにおいが満ちている。棚の間をリフト車が上下しながら作業する。それぞれの箱の中で育っているのはヨーロッパイエコオロギ。1箱に約1万5000匹いるそうだ。

注文に応じて飼育数は変動する。この日は少なめとの説明だったが、それでも464箱で計700万匹近くになる。センサーを使って室温を30~32度に保っている。従業員がエサをやる時の音や、時おり耳に入ってくるファンの回転音のほかに聞こえるのはコオロギの鳴き声だけだ。

「コオロギは廃棄物を高価値のたんぱく質に変換するコンバーターのようなものだ」とCEOのニコラ・ベリー(33)は話す。約1年半前に操業を開始したこの工場は、月に約16トンのコオロギを生産し、乾燥コオロギや粉末として欧州やオーストラリア、北米などに輸出している。

たんぱく質換算で鶏肉ぐらいの価格にするのが目標だ。現在、クリケットラボのコオロギはたんぱく質1キロ当たり18ドルほど。鶏肉は7ドル前後だ。それでも、北米産(20~30ドル)や欧州産(56~76ドル)よりは安い。人件費だけでなく、気候も強みだ。そういえば、フィンランドでは飼育施設の温度を保つために、1年を通して暖房が必要だと言っていた。

昆虫食の普及を阻む最大の壁は「虫を食べる」ことへの消費者の抵抗感、そして次の壁が価格の高さだという。しかしベリーは断言した。「5年後を見てほしい。スシだって西洋ではわずか数十年前は『生魚を食べるなんて』と嫌悪すらされていた」

https://globe.asahi.com/article/12611838